
5月24日の放送では、交響曲第9番ホ短調『新世界より』第4楽章をピックアップしてご紹介しました。
この曲はアントニン・ドヴォルザークが1893年に作曲した、4つの楽章からなる彼の9番目にして最後の交響曲です。ドヴォルザークのほかの作品と比べても際立って親しみやすさにあふれるこの作品は、クラシック音楽有数の人気曲となっており非常に有名。ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』、シューベルトの交響曲第7番『未完成』と並んで「3大交響曲」と呼ばれることもあります

女性指揮者である西本智実さんご出演の自動車のCMでもおなじみですね。

ドヴォルザークがアメリカ滞在中(1892-1895)に作曲され、アメリカの黒人音楽が故郷ボヘミアの音楽に似ていることに刺激を受け、「新世界アメリカ」から故郷ボヘミアへ向けて作られた作品だと言われています。確かに、この曲は、ボヘミア音楽、アメリカの黒人音楽とも見事に融合されていて、さらに、それらをブラームスの作品の研究などによって培われた西欧式の古典的な交響曲のスタイルに昇華させています。
このように、東欧&西欧&北米いう、3つの地域の音楽が融合したこの作品は、ドヴォルザーク有数の名作と言えるでしょう。
ドヴォルザークは熱狂的な鉄道マニアとしても知られていて、アメリカに滞在したのは、アメリカ大陸横断鉄道を堪能することが大きな目的だったという説もあるそうです

番組でご紹介した交響曲第9番ホ短調『新世界より』第4楽章の冒頭も一説によれば、汽車が発進し加速していく様子を現わしているとも言われていて、シンバルの一打は列車と列車が連結する音を表しているとも
言われているようです

