
まず、マーカス・ミラーのプロフィールをご紹介しますね。
ニューヨークの芸術学校とクイーンズ・カレッジで音楽を学んだマーカスは、1979年にデイヴ・グルーシンとラリー・ローゼンが設立したプロダクション、GRPのスタッフ・ミュージシャンになりました。
ブレッカー・ブラザーズや、渡辺香津美らとセッションを重ね、1981年にはマイルス・デイヴィスのバンドのベーシストとして加入し、長い引退生活から復帰したマイルス・デイヴィスのサウンドのボトムをクリエイティヴなベースプレイで支えました。
マイルスの『TUTU』は、マーカスが全面的に制作に携わった作品で、この作品がグラミー賞を受賞したことで、ベースプレイのみならず、マーカスの卓越した作曲・アレンジの才能が世に知れ渡りました。
マーカスのベースや、作編曲能力から、共演ミュージシャンも多く、ジョージ・ベンソン、デヴィッド・サンボーン、ロバータ・フラック、チャカ・カーン、ドクター・ジョンやドナルド・フェイゲンなどなど、彼が参加したアルバムは数えきれないほどです。
また、自身のバンド、ジャマイカ・ボーイズも世界中からの人気を集めています。
マーカスは、ベースのほか、ヴォーカル、ギター、キーボード、ドラムなどの楽器もこなしますが、特にバスクラリネットの腕前はかなりのものです。マイルスバンド在籍中、とあるコンサートホールが、演奏中に停電になったことがあるのですが、その時は、音が出なくなったベースをバスクラリネットに持ち替えて演奏を続けたという逸話もあるほどです。
トレードマークの'77年製フェンダー・ジャズベースが生み出す彼のオリジナリティあふれる演奏は、多くのベーシストに影響を与え、プロアマ問わず、彼の演奏やセッティングを真似るベーシストが今でも後を絶ちません。
マイルスは自伝でマーカスのことをこう評しています。
Marcus has such concentration in the studio,man,it's scary.That motherfucker's really one of the most focused people I have ever known.He don't miss nothing and he can work all day and night without losing focus.And he's having a good time while he's working,laughing at your stories and jokes,keeping everybody loose. But he's getting the record done.
マーカスは驚くほどの集中力の持ち主だ。こんなにピントの定まった男には今まで会ったことがない。ミスはまったくしないし、集中力を失わずに昼も夜も働き続けられるんだ。それに、いつも仕事を楽しんでいて、仕事の合間には冗談を言ってみんなを笑わせ、なごませていた。それなのに、間違いなくレコードを作り上げてしまうんだ。
マイルスがマーカス・ミラーのことを可愛がり、大きな信頼を寄せていたことが分かる言葉ですね。
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触れられてますが、
彼は結成直後のYMOと
ワールドツアーに出てるんですよね。
(マーカスはそれを見てたかもしれないし)
マイルスとマーカスが顔を合わせるタイミングで
YMOが世に出た・・・・
ジャズに限りませんが、
このユニットの果たした役割は
とっても絶大なんですよね。